石原都知事のゲイ差別考 〜差別言動をけしかける、エセ保守の吉田豪〜

石原知事がゲイ差別発言をしたのは周知のことだ。事の真相はどうだったのか迫ってみたい。

ナマコとオカマは嫌い、と発言したと伝えられるが、この発言は、昔の選挙特番でおすぎとピーコと税の使い方について論争になった時に放ったものだ(ポストセブン:吉田豪のインタビューより)。

その頃、石原はおすぎとピーコについて何も知らない。それで「君たちは歌手か?」と聞いたそうだ。ここまでは事実で、ここからは推測でしかないが、恐らくおすぎは「私の職業はオカマです」と発言したのではないか。否、そう言ったに決まっている。この言い草が件の石原発言に繋がったものと思われる。

そういう文脈を無視し「ナマコとオカマは〜」の部分だけが一人歩きしている。

同性愛者は足りない存在とか、気の毒な存在とも確かに発言してはいるが、同じ吉田のインタビューで、「俺は純粋なヘテロ異性愛者)だけどね。けど分からんよ。どんでん返しもあるかも分からん」とも言っている。

■石原に差別言動をけしかける、吉田豪

このインタビューでは、「美輪昭宏が石原を毛嫌いしている」ということがまずは俎上に乗せられていて、それに石原が反論するという流れで構成されている。おすぎとピーコの話しもそうで、やはりおすピーが石原を嫌っている」「同性愛者には反石原が多い」という前振りがあり、それに石原が反論するという脈絡だ。その中で昔の「ナマコとオカマは〜」発言が紹介されている。

同性愛者が気の毒な存在とは大きなお世話だ。同性愛者が生きにくい社会は確かにあり、それを改革し、生きやすくするのが政治の役割だろう。石原発言は政治の責任放棄だといえる。

だが、余りに石原のゲイ差別発言の部分だけが取り上げられ過ぎていないか。その前に、美輪やおすピーの石原批判が、石原の同性愛者差別発言を引き出した面があるとも言える。物事はもっとバランスよく見るようにしたいものだ。