伊藤文學を批判する ~ゲイムーブメントの当事者性~

皆さん、薔薇族というゲイ雑誌はご存じですか?今回は、同誌の初代編集長、伊藤文学について、批判的に取り上げてみたいと思います。なお、同趣旨の内容を、ウィキペディア「ゲイ雑誌」にも書いておきましたので、そちたもお読み下さい。以下〜。


お飾り編集長
商業ゲイ雜誌としては日本初の「薔薇族」は、ゲイの藤田竜と間宮浩が創刊に関わり、この2人がいなければ薔薇族は世に出なかったといわれている。しかしながら、編集長は異性愛者の伊藤文学であった。

編集長といっても名誉職的な存在で、事実上の編集長は藤田竜氏だったといわれ、構成や企画、記事やイラストの執筆までトータルにこなした。時代の制約からメディアに顔を出せない藤田氏と間宮氏に代わり、伊藤が広報担当のような形でメディアの取材に応じた。実際の雑誌の制作には伊藤はほとんどタッチしていない。これは伊藤自身がコラムで認めていることである。

同性愛者は“可哀相”論
この伊藤はゲイにはすこぶる評判が悪い。ゲイではないのにしたり顔 & 上から目線でゲイについて語るからだ。ゲイを良き方向に導いてあげているという風に……。

「同性愛は異常でも変態でもない」と創刊当初から連載コラムなどで繰り返している。しかしゲイからするとそんなことは「当たり前」であり、カチンとくるという人が多かった。

それでいて同性同士で暮らしたいとか、同性婚の訴えを「甘え」だと喝破し、女性との結婚を勧めていた時期もある。

そんな不満がゲイの中に渦巻いていたこともあり、1990年代にBadiやG-menといった新しいゲイ雑誌が創刊されることにもなった。


異性愛者のほうが困難な時代

今の時代、ゲイの世界にはゲイバーも発展場も、出会い系サイトもあるし、簡単に相手を見つけられる。それにイケメンがモテるとは限らないので、非イケメン(当ブログ執筆者は美形イケメンです)でも恋愛の機会はすごく多い。「ゲイと恋愛 1000人とエッチは当たり前? - マスキュリストの日記 ~ゲイのあれこれ~」でも書いた通り、経験人数が少ないゲイでも100人は軽くいく。男女より出会いは多いのだ。むしろ男女間のほうが困難な時代に直面しているとさえ思う。


異性愛者は熟年離婚とか、晩婚化とか様々な問題を抱えており、18〜34歳の異性愛独身男女それぞれの約4割が未経験だ。そういう厳しい現実を直視し、異性愛者は異性愛者の問題に向き合うべきだ。ゲイの問題は私たちゲイが取り組んでいく。

伊藤さん、早くお逝きになり、次こそゲイに生まれてきてくださいな。